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・プロテクト導入を推進しているメーカの方と対談してきました

 去る8月某日、新宿の某料亭にてプロテクト導入を推進する某社の方との、ゲームラボ編集部さんが企画された対談に参加してきました。対談の内容はゲームラボ(三才ブックス)の方を参照して頂くとして、ここではその場で提供された資料について突っ込みを入れることにします。

 

 対談の様子が掲載されているゲームラボ本誌。実際の対談は2時間ほどでしたが、余り主題と関係の無いヲタトークに時間の6割くらいを費やした感があり、書けないよーなヤバい話を除くと掲載されている2ページの記事内容とその前の解説で殆ど全て網羅されています(笑)。

余談:DVD-ROM のメディア ID チェックを「DVD-ROM プロテクト」と称するのは如何なものかと。メディア ID をチェックするタイトルはそれ以前にもありましたし...

 さて、その対談の場で以下の資料を提供されました。

 

 「Alpha-ROM を使用されるメーカーサポート担当者様へご案内です。(0814 版)」と題されたその資料には、文字通り Alpha-ROM を導入するにあたっての注意点、推奨するサポート方法、過去の誤爆事例等が紹介されています。尚、資料には表に出るとマズいであろう固有名詞等も記載されていますので、上の画像は敢えて読めない程度に荒してあります。これを読むと、導入を推進しているメーカや実際に導入したメーカの考え方が判って興味深いと同時に、ちょっと容認できない記述もあり、その辺に関しては容赦なく突っ込まさせて頂きます。

余談:この資料、プロテクトの誤動作を「誤爆」って表現しているんですけど、いよいよオフィシャル用語ですか? 何やら漢字圏には受けの良い字面のようですけど(笑)。

 

・興味深い部分

1.Alpha-ROM ではプロテクト領域に 20MB を要する。

 意外に大きいので少々意外に思いました。まぁ、無信号領域とガードバンドで 100MB 以上を要する ProRing(ガードバンドが小さいと誤爆する確率が上がります)に比べれば小さいのですけど。

 

2.2次パッチ方式の推奨。

 誤爆サポートの際、ユーザにはまずアンチクラック対策を外した1次パッチ(Alpha-ROM チェックは残る)を配布し、それでも動作しない場合は Alpha-ROM 代理店へサポート先を切替えて2次パッチを配布、それでも動作しない場合は対策 CD-R を送付、それでもダメなときは CD-ROM ドライブを貸し出す、と言った対策を推奨しています。無論、それに従うか否かは採用メーカ次第ですが。尚、代理店がサポートを引き継ぐと書かれているのは、メーカサポートに不手際があった際に Alpha-ROM 自体の評判が低下するのを恐れた結果であろうと思われます。が、そもそも誤爆した時点で...

 

3.2次パッチ方式の採用により Alpha-Analyzer は(今後)使用しない。

 ユーザ環境収拾用に使用され、またASPI レイヤーを勝手に書換えて問題になった Alpha-Analyzer は使用しない方向となったようです。Alpha-ROM の判別にも使えた Alpha-Analyzer ですが、今後は入手し辛くなるかもしれませんね。もっとも、Alpha-ROM 自体 ASPI レイヤーを使わないものへのバージョンアップを控えており、今の Alpha-Analyzer が将来にわたっても判別に使えるかは不透明ですが。

 

4.現段階では C++Builder でコンパイルされたソフトには Alpha-ROM が施せない。

 原因はアンチクラック対策にあるようです。ある意味誤爆? (違うか)

 

・容認できない部分

1.パッケージへの記載。

 「必ず”CDROM プロテクトあり”と記載する必要があります。」とあり、この部分は評価できるのですが、同時に文字サイズは小さくても構わない、種類を記載しない方がよいと言った旨の記載もあり、ユーザのためと言うよりメーカの自衛としての意味合いの強いことが観て取れます。

 

2.フェイクイメージの放流。

 

 「また、プロテクトとは直接関係ありませんが、ny に動かないフェイクの CD イメージをわざと放流することで効果を上げた例があります。どの会社とはいえませんが、起動すると HDD をフォーマットする CD イメージを大量に放流して効果を上げたブランドさんもあります。」

 ...前者は(なんだかなぁ、とは思いますが)まだ良いでしょう。問題は後者。これは、「電子計算機損壊等業務妨害」と呼ばれる 刑法第二百三十四条の二 に抵触します。親告罪ではありません。

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(電子計算機損壊等業務妨害)

第二百三十四条の二

 人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令 を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又 は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万 円以下の罰金に処する。
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 この行為をメーカ自ら行なっていたことが証明されたことになり、暗澹たる気分にさせられました。現状として、公開されたイメージファイルを落とした側に法的責任を追求し辛い側面は確かにあるでしょう。ですが、如何なる理由があろうともメーカが犯罪行為に手を染めて良い免罪符にはなりません。激しく反省と自戒を求めます。

余談:以前、シェアウェアである WinGroove に不正なシリアルを入力すると HDD を初期化するルーチンが誤って混入していたことが判明し大騒ぎになりました。当時はミスとのことで終息しましたが、上記の件は故意ですからね。言い訳の余地はありません。

 

 取敢えず文面に対する突っ込みは以上です。尚、後日文面に対して以下の訂正があった旨連絡を受けています。

・パッケージには(Alpha-ROMの?)ブランドロゴを入れることが推奨 

・2次パッチ送付時にはユーザの個人情報ではなく機種情報から生成されるキーを送付する方法の推奨

・2次パッチも基本的にはメーカにて作成する

 

 以下余談、と言うよりこぼれ話をツラツラと。

 結局は流通なんですよね。例えば今ならソフ倫を通過したソフトの流通では某社が7割くらいのシェアを持っているのではないでしょうか。そんな状況では、例え誤爆やサポート等で傷付くのが自社ブランドであることが判っていても某社の意向に異議を唱えることは難しいでしょう(何しろヘタに併売とするより某社専売の方が数が出ると言われていますし)。

 全ての著作権産業にあてはまることだとは思いますが、パッケージ流通が無くなることは、恐らく無いでしょう。しかし、パッケージを所有することの喜びを提供できなくては、早晩パッケージはニッチへ追いやられるのではないかと思っています。人には所有欲があります。これを満たすのがパッケージなのか単なるファイルなのか、そー言った部分をもっと考える必要があるのではないでしょうか。ぶっちゃけ、P2P によるイメージファイル流通と差別化できないのであれば、それを前提とした収益モデルを考える必要があると言うことです。ユーザに不便を強いて「仕方なく」買って貰うような施策では、先は無いですし応援したくもありません。

 このページ、実は8月中にはほぼ書き上げていたのですが、ゲーラボの見本誌届くまで公開を控えていました。で、届いてみると結構書いてたことにダブリがありましたので、ダブってた部分は大分削りました。頂いた資料には出荷数に対する誤爆サポート数を記載したものもあったんですが、これは本誌の方でフォローされていましたので全部削除しましたし。

 何だかんだ、対談は楽しかったです。建設的な話もバカ話も含めて。また機会がありましたら是非(笑)。

 

 メーカの方へ。もし間違い、或いはサポート方法や技術的指導等ございましたら下記アドレスまでご連絡下さい。訂正させて頂きます。

 リンクとか一切の制限をしませんのでご自由に。尚、ADSL による自鯖ですので、落ちていたらご容赦下さい。

The person who wrote:凧

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