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・実際のパッケージ、マニュアル表記例(2002/10/14 作成)

 毎月数十本のパソコンゲームが発売されるようになって久しいですが、パッケージやマニュアルの注意書に注意を払う方は意外と少ないのではないでしょうか? そんな部分を眺めていると、何気に「をや?」と思う表記がなされていることも実はしばしば有ります。今回はそんな表記やそうでは無い表記を集めてみました。

 サンプルはつい最近私が購入したタイトル達。年齢制限付きばかりなのは、まぁナンです(笑)。

 今年前半は殆ど買って無かったんですけどね。本来なら半分のハズでしたが、まぁボーナス月の余波と言いますか油断と言いますか。以下、タイトル毎に行きます。

 

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・超昂天使エスカレイヤー(ALICE-SOFT)

 パッケージから。定価表記になっていますね。実際に価格拘束を行なっていない限りはこの表記だけで違法とされることはありませんが、基本的に国内で「定価販売」が許可されているのは再販指定商品だけですし、公取委が示している指針(参考リンク
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メーカーが希望小売価格を設定する場合においては,「正価」,「定価」といった表示や金額のみの表示ではなく,「参考価格」,「メーカー希望小売価格」といった非拘束的な用語を用いるとともに,希望価格を流通業者や消費者に通知する場合は,通知文書等において,希望価格はあくまでも参考であること,流通業者の販売価格はそれぞれの流通業者が自主的に決めるべきものであることを明示することが望ましい。
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に適合していません。

 スタートアップガイドから。非常に微妙です。上の一文と商品の複製が繋がっていないために少々妙な表現になっています。一般にゲームソフトの場合ユーザは「プログラムの複製物の所有者」になると思われており、この場合は著作権法47条の2
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第47条の2
プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(これによ り創作した二次的著作物の複製を含む。)をすることができる。ただし、当該利用に係る複製物の使用につき、第113条第2項の規定が適用される場合は、この限りでない。

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により特約が無ければユーザは複製、翻案を行なうことが認められています(技術的保護手段を回避してはいけません)。ちなみに、先般のコンシューマゲームソフト中古裁判でゲームソフトは映画の著作物であるとされ、その場合は頒布権が適用されるのですが、元々頒布権は流通をコントロールするための権限であり
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第26条
著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
2 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を公に上映し、又は当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。

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と、家庭内複製に関する規定を有していません。結局のところ、マニュアルに記載しただけでは家庭内の複製そのものを禁止する法的根拠が無いのです。複製した物を販売した場合は明確に違法となりますので、文言もそのように書くべきでしょう。

 

・勝・あしたの雪之丞2(elf)

 パッケージの価格表示。当たり障りのない表記です。

 上は中古やコピー品、サポート依頼書がコピーだった場合はサポートしない旨記載しており、これも問題ないでしょう。下の方は無断での複製禁止と賃貸業への使用禁止を唄ってます。賃貸業への使用禁止は貸与権がありますので正当ですが、複製禁止は「第三者への」の文言が必要と思われます。

 

・ティアフルアイズ(仮面商会)

 パッケージから。標準価格と表記しておりOKでしょう。

 マニュアルから。こちらの、ビジュアルアーツさん共通項である「本誌製品の使用上のご注意」は、例として
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本製品の内容を弊社の許可なく第三者への配布、改造、複写複製、賃貸、パソコン通信等による伝送を禁じます。
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等と記載しておりほぼ完璧なんですが、

こちら側の、仮面商会さん独自と思われるユーザーサポートの項では
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本製品(本ソフトウェアに含まれるプログラム及び全ての付属物の総称)の著作権は全て「仮面商会」が有しており著作権法によって保護されています。本製品の権利者の許諾のない複製、解析、中古販売、賃貸利用及びそれに類する行為をおこなうことを禁止します。
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と記載されており、前半はともかく後半は困ったことになっています。しかも後半の内容が全て著作権法で保護されているかの如く書かれており、ちょっと看過できない状態です。

 

・DEVOTE2(13cm)

 パッケージから。仮面商会さんと同じビジュアルアーツさん系列のブランドですが、こちらは定価と表記されており、少々引っかかります。

 同じくパッケージから。
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本ソフトを無断で複製すること、及び賃貸・擬似レンタル・中古販売について、これらを一切許可しておりません。
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と、賃貸以外は法的根拠が無いにも関らず制限として記載しています。

 こちらの、マニュアルの記載はほぼ完璧なんですけどね。

 

・TRUE BLUE(LiLiM)

 パッケージから。単に金額しか書いて無いです。可もなし不可もなし?

 同じくパッケージから。中古販売を禁じる旨記載が有ります。

 

・魔法少女アイ2(colors)

 パッケージから。定価表記です。

 それと、謎の複製不可マーク。謎です。

 

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 取敢えず以上です。

 いくつかのタイトルに中古販売を禁止する旨記載が有りますが、コンシューマゲームソフトとパソコンゲームソフトは異なるとの判断なんでしょうか? ただ、譲渡に関する頒布権は消尽すると最高裁に明確に判断され、使用許諾を規約として定義するにしても、実は国内の著作権法では著作者に「使用権」が認められていないので法的根拠に乏しいのです。従って「不当表示」、或いは最悪「違法」と判断される可能性もあります。その他の法的根拠のない表示もそうですが、業界としてユーザにモラルを求めるのなら同時に自らを律することをしないと、「だから**はー」みたいなことを言われかねないのでは、と思ってしまいます。

 パッケージやマニュアルの文章を書く方は、法律や判例をもっと読みましょう。今は検索も楽なはずです。少なくとも六法全書と格闘する機会はグッと減っています。敷居は低くなっていますから。同時に、ユーザももっと突っ込むべきなんでしょうか。余り重箱の角を突きたくは無いのですけどね。いや、本気でそう思ってます(笑)。

 

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